新築時の後悔がない設計力の裏側。
- 2025年8月23日
- 読了時間: 5分
家づくりで後悔する人の多くは、完成してから気づきます。
「この色、もう少し明るいと思っていた」
「ここの仕上げ、こんな感じじゃなかった気がする」と。
でもそれはお施主様の記憶違いでも、建築士のミスでもないことがほとんどです。
小さなサンプルで見た色と広い壁面に貼られた色は、同じものでも大体全然違って見える。
ショールームの光の下で選んだ素材が、自分の家の照明の下では印象が変わる。
これは人間の目の構造上、避けられないことです。
新築時の後悔がない設計力の裏側になるのですが、
住宅設計をするとき、
常に意識するのは「確認」という作業です。
だからこそ、建築士は「確認」に異常なほど時間をかけます。
新築時の後悔がない設計力の裏側。
建築士が密かにやっていること
私が住宅設計するとき、仕様確認には必ず仕様書・図面・パース・サンプルの4つを揃えて臨みます。
どれか一つでも欠けると、
頭の中で補完した「思い込み」が入り込む余地が生まれるからです。
ご夫婦で打ち合わせをしていると、同じサンプルを見ながら旦那様と奥様で色の認識が違うことは珍しくありません。
どちらが正しいわけでもない。
ただ人は、見たいように見て、聞きたいように聞く生き物です。
だから正式な打ち合わせの場だけでなく、会話の流れの中でさりげなく確認を重ねる。
「先日のあの色で決まりでしたよね」と自然に挟む。
床材の色合いやキッチンの仕上げ建具の取手の形まで可能な限り具体的に目に見える形で確認していきます。
これを繰り返すうちに、自分の中にお客様ごとの仕様が記憶として積み上がっていきます。
地味で、目に見えない作業です。
でもこの積み重ねが、70棟の設計を経てクレームゼロという結果につながりました。
仕様確認の大切さ

当たり前を、当たり前にやり続けること
特別なことは何もしていません。
仕様書を見る、サンプルと並べる、パースで確認する。ただそれを、毎回、全案件で、妥協せずにやり続けただけです。
当たり前のことを当たり前にやり続けることが、実は一番難しい。
そして今、その「確認の精度」を支えているのが3Dビジュアライズです。
どれほど丁寧に言葉で説明しても伝わらない「空間の空気感」を、着工前に実際に見て確認してもらえる。色・素材・光の入り方を、完成に近い形でイメージしてもらえる。
「思っていたのと違う」を、設計の段階でゼロに近づけるための道具として使っています。
パースが無い場合はショールームでパネルのサンプル等を見ながら仕様書と図面と行き来しながらお打合せの後、最終パースで確認といったプロセスを踏む場合もありました。
とはいっても、私が実棟として建築士として担当として携わったのは70棟以下ではありますがお陰様で一度もクレームを頂いたことはありませんでした。
確認作業や決定作業はお客様にとっても誰にとってもとても地味な作業ですが全体構成で最終的にお客様のご要望のイメージ空間に近いモノをサンプルやショールームをご覧頂きながら決めていきます。
床材の色合いやキッチンの仕上げ、
建具の取手の形まで、可能な限り具体的に目に見える形で確認していきます。
しかし、それでも認識の違いはゼロにはなりません。
「この色だったはず」「あの仕上げだったのでは」と、
お互いに思い込みが生まれることもあります。
ASDOでは、単に空間を“綺麗に見せる”のではなく、
「誰に」「どんな心理変化を与え」「どう意思決定していただくか」
まで含めて、設計初期から空間整理を行っています。
図面化前のヒアリングやコンセプト整理、3Dを用いた方向性検討をどのように進めているのかは、こちらの記事でも詳しくまとめています。
さりげなく確認をする
家は一生に一度の買い物という方がほとんどです。
完成してから後悔しないために、設計の裏側では地味で地道な確認作業が積み重なっています。
その当たり前を丁寧にやれる建築士かどうか、選ぶときの一つの基準にしていただければと思います。
正式な打ち合わせ以外の場面でも、
会話の流れの中でさりげなく要所を確認するようにしていました。
こうした積み重ねを続けるうちに、
次第に自分の中にお客様ごとの仕様が自然と記憶されていき、
間違いが起こることはかなり少なくなっていきます。
もっとも物件数が10を超え始めると、
すべてを頭の中だけで管理するのは難しくなる場合もありましたが。。
一つの案件に集中していると他の仕様が薄れてしまい、
ふとした時に「あれはどの案件の仕様だったか」と迷うことも出てきます。
だからこそ、最初の確認、途中の確認、そして最後の確認と、
何度も重ねることが欠かせません。
お客様の為にひとつひとつていねいに
「確認の積み重ね」は、建築だけに限らず、
日々の仕事や暮らしの中でも通じるものだと思います。
思い込みを避け、手間を惜しまず、確かめる。それが結果として、精度を高め、
信頼を築く最も確実な方法だと、今も感じています
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