住宅設計とは?HPからご相談いただいた暮らしから導く住宅プランニングのお話
更新日:10月8日

住宅設計ではご要望の整理とヒアリングがとても大事です。
こちらのブログでは住宅設計における現在の暮らしから
大事なポイントまでお話させていただきます。
簡単に下記にこの記事でわかることをまとめてあります。
この記事でわかること
① 展示場に負けない住宅プランの考え方
「見た目のインパクト」だけに寄らず、毎日の暮らしの動きから間取りを組み立てることで、魅力と使いやすさを両立させる視点を紹介します。
② 流行りではなく「家族に必要な動線」から導く回遊性
回遊できる家を最初から目指すのではなく、ご要望や資料の読み解きから自然に導かれた理由を、実例をもとに解説します。
③ 今だけでなく、数年後の暮らしまで見据えたプランの作り方
お子さんの成長や生活の変化があっても無理なく使える間取りを考えるポイントを整理します。
④ 家の中は開放的に、外からはプライバシーを守る視線と外構の考え方
どこに開き、どこに閉じるかを、建物だけでなく窓の見え方や庭の使い方まで含めて検討する方法をお伝えします。
⑤ 「なぜこの間取りなのか」が伝わる図面コメントと手描きプレゼン
設計意図や将来の使い方を図面に書き込み、手描きの平面図・立面図で提案したことが、ご契約につながった流れを紹介します。
目次
以前ホームページから住宅プランニングについてご相談をいただいたことがありました。
ご相談くださったのは東北地域で長く住宅づくりをされている工務店様。
「普段とは少し違うご提案になるので、一度プランニングをお願いできないでしょうか」
そんな住宅の新築計画のお悩みのご相談から始まったご依頼でした。
敷地はすでに決まっていて、お客様が気に入られている住宅メーカーの展示場もある。
その展示場に負けないくらい、魅力のある住宅プランをつくりたい。
ただどこをポイントにしてプレゼンすればよいのか、
どういう方向から考えていけばよいのか。
そういった部分も含めて一緒に整理しながら進めていくことになりました。
今回は3Dを用いてではなく、
手描き間感を大事にプレゼンを用意していきたいというご意向でしたので
まずはオンラインでお話を伺い工務店の方から今回のご相談に至った背景や、いただいているご要望、参考プランなどを見せていただきました。
そこからご家族が住宅に求めているものを一つずつ整理してプランを練っていきます。
「まだ間取りが固まっていない」「家族の暮らし方をどう整理すればいいかわからない」そんな段階からのご相談については、こちらの記事でも詳しく書いています。
住宅設計とは?
暮らしから導く住宅プランニング

使いやすい「回遊できる家」
今回は参考プランやご要望を拝見していて、ひとつのキーワードとして見えてきたのが「回遊性」でした。
ただ最初から「回遊動線をつくろう」と考えていたわけではありません。
いただいた資料やご要望を読み解いていく中で、
「このご家族の場合は、こういう動き方ができると暮らしやすそうだ」
というところから自然と回遊できる動線が導かれていきました。
住宅のプランニングでは流行っている間取りをそのまま当てはめることよりも、そのご家族にとってなぜその間取りが必要なのかを考えることが大切だと思っています。
回遊動線も、その一つです。
魅せることと、使いやすいこと
展示場に負けない住宅にしたい。
そう聞くと、どうしても「見た目のインパクト」を考えたくなります。
もちろん、デザインは大切です。
入った瞬間に「素敵だな」と思える空間も必要です。
しかしながら住宅は展示場とは違います。
実際に住み始めれば、毎日使う場所になります。
朝起きて、身支度をして、食事をして、仕事や学校へ出かける。
帰宅して、家事をして、家族と過ごして、眠る。
そうした毎日の繰り返しの中で、どこを通り、何を取り出し、どこに片付けるのか。
そういう小さな動作の積み重ねが、住みやすさにつながっていきます。
だからこそ今回も、デザインだけを先に考えるのではなく、「実際にこの家で生活したらどう動くのか」というところからプランを組み立てていきました。
今の暮らしだけではなく、これからの暮らしも考える
住宅を考えるときには、現在の家族構成だけを見るのではなく少し先の暮らしまで想像するようにしています。
お子さんが小さい時期と成長した後では家の使い方は変わります。
今は必要な場所でも、将来的には別の使い方をするかもしれません。
逆に今はそれほど必要に感じない場所が将来的には重要になることもあります。
そのため「今はどう使うのか」だけではなく、
「数年後にはどう使うのか」
「家族の生活が変わったときにも、この間取りは無理なく使えるか」
というところまで考えながらプランを練っていきました。

家の中からは見える。でも外からは見えにくい。
もう一つ意識したのが、視線のつながりです。
家の中では、家族の気配を感じられること。
それぞれの場所にいても、なんとなくお互いの存在が分かること。
一方で、外部からはプライバシーが守られていること。
「開放的にする」だけではなく、
どこに対して開くのか、どこに対して閉じるのか。
そこまで考えて、建物だけでなく外構も含めて検討していきました。
住宅は、間取りだけで完成するものではありません。
窓から何が見えるのか。
外から家の中がどう見えるのか。
庭をどう使うのか。
そうしたことも含めて、一つの住宅だと思っています。

図面に、考えたことをできるだけ残す
今回のプランでは、間取りを描いてご提案するだけではなく、
それぞれの場所について「なぜこうしたのか」「どう使ってほしいのか」という考えも、
できるだけ図面の中にコメントとして書き込みました。
図面を見たときに、ただ部屋が並んでいるのではなく、
「この配置にはこういう理由があります」
「ここは将来的にこう使えます」
「この動線にすることで、こういう暮らし方ができます」
ということまで伝わるようにするためです。
プランニングという仕事は、線を引くことだけではないと思っています。
ご要望を聞き、その背景を考え、家族の暮らしを想像して、それを一枚の図面に落とし込んでいく。
その過程そのものが、暮らしから導く住宅プランニングなのだと思います。
そうやってお打合せの回数を重ねながらプランニングをブラシュアップしながらお打合せを進めていただきました。

後日、立面図も手描きで
プランをご提出した後、少し経ってから工務店様より、
「立面図もお願いしたい」
とご連絡をいただきました。
今回のプランが手描きだったこともあり、久しぶりに立面図も手描きで仕上げました。
平面図だけでは分からない、建物全体の佇まい。
窓の位置や外からの見え方。
そして、内部で考えた暮らしと外観がきちんとつながっているか。
そんなことを考えながら、一枚にまとめていきました。
その後、無事にご契約になったとのご連絡をいただきました。
こうしたご報告をいただけるのは、プランニングをする側としても嬉しいものです。
ふと、この住宅のことを思い出すことがあります。
今頃、この家でどんな暮らしをされているのだろう。
家族で食卓を囲んだり、リビングでゆっくり過ごしたり。
この家で、素敵な時間を過ごしていただけていたらいいなと思います。
そんなことを、コーヒーを飲みながらふと思い出しました。
住宅は、図面を描いて終わりではありません。
その先にある暮らしを想像する。
そして、そのご家族にとって使いやすく、長く心地よく暮らせる空間を考える。
これからも、そんなプランニングを大切にしていきたいと思っています。

