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契約前のデザイン提案で大切にしていること

  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

契約前のデザイン提案で大切にしていること



最近お引き受けする機会が多いのが、プロジェクトの最も初期段階、いわゆる「契約前」や「基本設計」のフェーズでのSpecial Design Supportです。


多くの場合、クライアントの方の手元には「やりたいことの断片」や「大まかなプラン」がすでに存在しています。しかし、それがまだ形になっていなかったり、関係者の間で意見が分かれていたりして、その先へ進めずに足踏みしているケースが少なくありません。


そんな初期段階の提案で、私がいつも大切にしているのは、空間を美しく見せること以上に「なぜその方向性なのか」の理由を一つずつ紐解き、なぜ新しいデザインが必要なのか、どのようにデザインすることが大事なのか、新しい空間にすることで何を達成したいのかといった整理した情報を関係者全員で共有するプロセスです。


ASDOでは、単に空間を“綺麗に見せる”のではなく、

「誰に」「どんな心理変化を与え」「どう意思決定していただくか」

まで含めて、設計初期から空間整理を行っています。

図面化前のヒアリングやコンセプト整理、3Dを用いた方向性検討をどのように進めているのかは、こちらの記事でも詳しくまとめています。


契約前のデザイン提案で大切にしていること。

最近お手伝いした4つの実務を例に、具体的な進め方をお話しします。



ケース1:アイデアを「空間として成立するデザイン」に整理する

(オフィスの内装デザイン提案)


働く空間が企業のブランディングになる。オフィス設計‘_architecturalsolutions

クライアントの方の中に「やりたいイメージ」や「大まかなプラン」は出来上がっているものの、それを実際の空間に落としたときに、デザインとしてうまくまとまらないというご相談でした。 ここでは元の意図を丁寧に汲み取りながら、空間としてのクオリティと機能性を担保できるデザインへと整理。3Dで視覚化することで、イメージを破綻させずに現実の空間へと着地させました。



ケース2:複数の選択肢を統合し、手戻りを防ぐ

(約300㎡の既存工場リノベーション)


食堂と応接室のデザイン検討x3Dxプレゼン戦略_architecturalsolutions

社内でデザインについてお悩みになられていらっしゃいましたクライアントの方からのご相談を頂きました。ヒアリングをもとになぜ新しい空間が必要なのかという問いから、どのような利点と利用方法があるのかをコンセプト化していき、方向性として「重厚さを重視したA案」と「軽やかやなデザインを重視したB案」の2つをプランからデザインした内装案として用意し、方向性が定まっていなかったプロジェクトに可能性を検討していただきました。 いきなり一つの完成予想図を作り込むのではなく、それぞれのデザインしたプランを3Dで可視化し、メリット・デメリットをニュートラルに比較できる状態を作りました。打ち合わせを重ねる中で、双方の長所を融合させた「統合案」へと発展。クライアントの関係者全員の方が納得してご契約へ進むことができました。



ケース3:「なぜ、そのデザインなのか」の説明を組み立てる

(女性クリニックの契約前提案)


salon_interior_design_architectural_solutions

すでに図面(プラン)はあるけれど、「どんな内装デザインにするか」「なぜそのデザインでなければならないのか」というストーリーが弱く、合意形成のための決め手に欠けているという状況でした。 ここでは、ターゲット層の心理やクリニックのコンセプトから逆算して、デザインの理由をロジカルに整理。さらに「どのような順番で説明すれば、相手に最も深く響くか」という説明の流れを一緒に組み立てることで、無事に契約へと繋がりました。



ケース4:既存の延長ではなく「商品化できるプロトタイプ」を創る

(マンションエントランスの改修提案)


女性に選ばれる賃貸マンションのエントランスデザイン_architecturalsolutions

既存の延長線上の提案では、住人の方々に「良くなった」と実感してもらうには弱い、という課題がありました。 そこで、これまでの要素を一度リセットし、女性の方に選ばれる賃貸マンションとしての今後の標準仕様(商品化)も見据えたプロトタイプデザインをコンセプトから構築。言葉のコンセプトシートだけでなく、デザインした空間を3Dアニメーションを体験していただき「プレゼン戦略による魅せ方の流れ」まで含めてご提案し、関係者様の深い納得感を生み出しました。


面図だけでは整理しきれない部分を補うため、ASDOでは日常的に3Dを用いた空間整理や視覚化サポートも行っています。「図面はある。でも、その先の空間デザインがまだ固まらない」という方向けに、Spatial Design Support(SDS)についてこちらで紹介しています。



空間を美しく見せること、その先にあるもの


これらすべての仕事において、私が最も多く時間を使うのは3Dを作ることではありません。


  • 課題を整理すること。

  • 3次元でプランニング・レイアウトを検討すること。

  • 関係者の方々が同じ方向を向ける状態をつくるためのプレゼン戦略を練ること。


3Dパースやアニメーションは、そのための手段のひとつに過ぎません。

最初はお客様の手元でバラバラだったアイデアや要望が、一つずつ整理され、形になり、「この方向性でいこう」と全員が確信を持って次のステップへ進めるようになる。

そのための足場をしっかりと組むことが、私が契約前のデザイン提案で最も大切にしていることです。




Architectural Solutions Design Office /二級建築士事務所

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